先ずは、会社設立と、現在までの経緯を御話します。
12年前年取った故郷の両親への孝行する為に、東京に本社がある前職を退職し、故郷に戻って就職活動を始めました。しかし、なかなか就職に踏み切れる会社が見つからずにいました。その時に、自分の記憶が蘇ってきました。いつかは独立して自分の会社をもちたいという希望でした。
当時、年齢もすでに40代半ばでしたので、チャンスは今しかないと思い、会社設立活動をスタートしました。お陰様で、多くの方の御協力により、半導体に関する技術コンサルティングの仕事を数社から頂き、何とか生計が成り立ちました。その後、半導体材料を中国メーカから輸入して、国内の顧客へ販売するという商社ビジネスを行なってきました。
5年が経過した時点から、銀行さんから融資が受けられるようになりました。そこで、昔からの希望である、自社ブランドの半導体用洗浄装置を製造販売する会社を大きくする夢に向かって一歩を踏み出し始めました。現在は、おかげ様で完成した洗浄装置を日本国内や海外に納入する迄に至っています。
今後、弊社は、半導体材料の輸入販売と、製造装置の開発・製造・販売を2つの商材の柱として活動してまいります。
最後に、これまで御世話になった社員、株主をはじめ大勢の方々に感謝申し上げます。また、今後とも、顧客を始め、関係者の人たちへの感謝を忘れずに、前進してまいります。今後とも、皆様からの御指導を歓迎申しあげます。
代表者経歴
慶應義塾大学 | 理工学部・応用化学科卒業 |
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旭硝子(株) | セラミックス、ガラスの製造・微細/加工技術 |
NEC(株) | LSIプロセス技術の開発・生産技術 |
日本エスイーゼット | 枚葉式WET処理装置の開発、販売 |
(株)MTK設立 | 現在にいたる |
光陰矢の如し、あっという間の11年でありました。現在、相変わらずMTKはヨチヨチ歩き中の坊やであります。世間様から落第点を頂いた我が身を恥じ、悔しく思う自分である一方、未熟者ではあるが全力で前を向いて走ってきたということの1点のみ、自分に対しては、よく頑張ったなと礼を言いたい気持ちがあります。
さて、11年を振り返って、未熟者の私でありますが、MTKの経営を通じて学んだことは、たくさんあったと思います。2019年1月2日現在、今まで学んだことを文字にして残しておきたい気持ちになりました。
これを私の今後の行動指針として、心の中に強固に持ち続ける為に役立てたいと思います。
また、仮に、この文章を見た方に関しましては、何かの御役に立てることができれば文章を書いた意味があったと嬉しい気持ちになると思います。
思いついた内容順に記述しましたので、まとまりのないものになってしまったことをお許しください。
1)起業した経営者は現場で泥臭い仕事を先頭に立って行う。
◯小さな会社は人手が不足します。1人が3役をこなすつもりで仕事に励むべし。
◯行動と考察は同時並行で行うべし。上手くいく結果は1回や2回のトライでは得られません。
◯早く行動して、早く改善すべし。この繰り返しを合格点に達するまで続けるべし。
◯現在は、色々の会社に助けられて事業が成り立つことが殆どです。
しかし、我々は、たとえ他社に頼らなくても1社だけになっても生き抜く気概をもつべし。
2)継続は力なり
◯100メートル全力疾走を毎日、毎月、毎年繰り返すべし。
◯成果は直ぐには表れない。そのため、長期間、頑張り続けるべし。
◯毎日、少ない時間でも良い、仕事のことを考えると、不意に良いアイデアは生まれるものである。
◯継続は本当に難しいことである。現在の仕事について、本当に自分がやりたい事なのかを常に考え
仕事を自分の理想に近づけていけば、全てのことは自己の責任であるとして自分に対して後悔することが
無くなる。
◯会社の部屋の埃など細かなことにも気を配り改善する姿勢を大切にすべし。
この小さなことを大切にする姿勢が、我々が製造する製品に形となって表れてくることになる。
3)経営者は成果を社員に与えるべし。
◯経営者は利益を上げる為のシステム(体制)作りを行い、目に見える成果は社員に与えるべし。
4)日々感謝すべし。
◯MTKの製品を御購入いただいた御客さま。
◯無能な社長についてきてくれる社員一同。
◯目標ベクトルを共にして御協力いただく協力会社の皆様方。
◯私に大好きな仕事を与えてくださった神様。
5)目標を具体的に明確化すべし。
◯イメージを社長自身が具体的にイメージすべし。
◯目標を社員、協力会社と共有化すべし。
◯半導体の歴史を考えると、今後も安価なLSI半導体製品を途上国の人々が使用して便利な世界が出来ていく。
その為には、我々が製造する半導体製造装置も安価になる努力をすべきである。
6)肝っ玉を座らせるべし
◯自分が耐えられる最悪事態を自覚すれば、積極的に前進できる行動がとれる。
◯心配はいつも人間にはふりかかるものである。しかし、心配の殆どは、もやっとした不安であることが多い。その、もやっとしたものの正体は何かを、正面から対峙して正体を具体的に把握して、さらに取り除いていくように努力すべし。
そうすれば1段階、人間レベルを上げることが出来ます。心配と対峙する勇気を持つべし。
7)キャッシュフローを常時把握すべし。
◯決算書を良く見せることよりも長期的な視野に立って戦略を立てることの方が重要である。
8)全てのことは自分に振り替えるべし。
◯起きてしまった悪いことは他人のせいにしてはいけない。
常に自分へ転嫁して、自分は何を改善しないといけないかを考えるべし。
9)捨てることの重要性
◯本当にやりたいこと1点に絞り切るべし。
例えば、私の場合は、やりたい仕事1点に絞った。それ以外は、例えば遊びなどは、きっぱりと捨てる。
そうすれば迷いは無くなり、毎日が心晴れやかである。
私の夢は二つあります。一つ目はMTKが大きくなり、各社員が仕事を通じて幸せになることです。
二つ目は、戦争が、いつの日か世界から失くなることです。戦争の多くは、戦争を行いたい人が、貧困等の理由から十分な教育を受けられなかった大人や子供をお金などで誘い、戦争地帯へ連れて行きます。戦争の本当の犠牲者は、それらの大人や子供、その家族です。私を含め、煩悩が支配する世界ですが、平和な良い方向に転換するためには、自立できる為の教育が必要だと考えます。
私としては、微力ながら、それに寄与できれば嬉しい限りです。
次に、私の夢に行きついた理由について紹介させていただきます。
私は、時々、自分とは何者なのかを考えます。『本当の自分』探しです。私を含め多くの場合、人は知らず知らずのうちに周りの環境に影響されて、本当の自分が行いたがっている本質欲求を知る努力を怠り、むしろ、他人と比較することで自分の行動を決めてしまいがちだと私は感じています。少し長くなりますが、私の本当の自分探しを紹介いたします。
自分探しの方法として、意識していないが、小さいころの記憶が大人になった現在でも鮮明に脳裏に残っていることが本当の私を知るヒントになると考えています。
先ず挙げるのは、私が保育園に通っていた頃、保育園から自宅への帰り道に、ふと目に留まったのは、小さなタンポポでした。頑丈なアスファルトの小さな割れ目から力強く顔を出して生きていました。
これは、弱い者に対しても優しく見守りたいという本当の私ではないかと、大人になった現時点で思っています。又、小学生のころ、近所で伝書鳩を飼っている家があり、足しげく、その伝書鳩を見に行きました。
大人になってから、私の母親から、当時、鳩を飼いたいと両親に頼んだ私を、なにか寂しがっていると思っていたと言われたことがあります。実は、私は寂しかったのではなく、伝書鳩が朝、鳥小屋から飛び立って、夕方戻って来るのを見ていて、自由に遠くまで飛んで行けて私の知らない世界を知っていることに対して、本当の私は、未知の世界への好奇心で心がワクワクしていたのです。
又、中学1年生のころ、通っていた学校に、1日研修として米国とカナダの大学留学生が来ました。田舎の中学校でしたから、私は初めて見る外国人に興味津々で、習い始めた片言の英語で留学生に積極的に話しかけて、楽しかった記憶があります。これも、未知の世界への好奇心が私の中に強く存在するという事実だと現在、感じています。
以上、本当の私とは、①他人への思いやりが深い ②人一倍強い好奇心・冒険心 の2つであると思っています。
人一倍強い好奇心・冒険心が、表面上、故郷での再就職するというという比較的優しい方向性を嫌がり、逆に、起業するという不安な道に私を進ませた本質です。他人が不安に思うような事態に遭遇すると、私も最初は同じように不安なのですが、1分も経つと、それがワクワクするような好奇心・冒険心に変わります。
私自身の力を100%出し切った場合には、今後、MTKをビジネス上、どのくらい大きくできるのかを、又は、力尽きて倒産するといった事実を、最後には見ることが出来ます。
一方、ビジネス的な売上額などの数字を目標や夢とする場合には、私自身から出るエネルギーが不足しがちです(勿論、頭の中には目標額はありますが)。そこで、『本当の自分』である他人への思いやりを私が会社を大きくするための行動エネルギーに変えたいと思い、私の目標を75歳までに貧困な子供のために学校を作りたいという事を決めました。
MTKは性能を向上させながら、半導体製造装置を安価に提供できるように努力します。
それが、途上国の人々もLSI(半導体)を多く使用して便利な世界になることに繋がると信じます。